邪魔がいなくなった2人は再び歩きだし、私の横を通り過ぎる。 −−−ズキッ… 心が悲鳴をあげる。 通り過ぎた瞬間匂った懐かしい匂い。 それに混じった女物の香水。 「グスッ」 目から流れる涙。 周りに気付かれないように顔を伏せ、口に手をあて声を押し殺し泣く。 2人の足音は遠くなり、ホテル街に消えて行った。