意識がない男を殴り続ける心を震える体を抱きしめながら見る。 周りの野次馬達は興奮し歓喜の声をあげる。 「しんちゃん…」 まだ殴り続けてる心を見て呟く。 呟いた声は小さく震えていて、野次馬の声で掻き消された。 殴り続けていた心はピタリと手を止め、野次馬に紛れて立っている私の方に顔を向ける。 −−聞こえた?… 一瞬、目が合ったがすぐに反らし立ち上がる心。 −−−聞こえるわけないか… 抱きしめている腕に力を入れる。