表通りから裏通りに続く路地裏を走る。 路地裏は薄暗く、ゴミが散乱していて生ゴミ臭く息苦しい。 「はぁ、はぁ、はぁ…」 「…つっ」 走った体はすぐに悲鳴をあげ、気持ちばかりが焦り足が絡まる。 転びそうになったのを足で踏ん張り、そして走る。 聞こえた怒鳴り声は近づくにつれて大きくなるが、まだ姿が見えない。 今はまだ梅雨の季節。 じめじめした空気に息苦しい路地裏、必死に走る体は汗でびっしょりだ。