四月。


僕は念願だった私立中学に見事合格し、入学を果たした。



でも喜びもつかの間……


試練が僕を待ち構えていた。


一つ目の試練。
それは毎朝六時に家を出なければならないということ。


そしてもう一つがバス通学ということ。


家から学校までかなりの距離があって、六時には家を出ないと遅刻をしてしまう。


朝に弱い僕。


けれどこれは母さんに起こしてもらえればなんとかなる。


問題は後者。


そう。
バス通学の方。


僕は不運にもバスに乗ったことがない。


生まれて一度も。