自動ドアが開く音がした。朝の冷えた風が俺にぶち当たる。
「・・・愛子もっ、・・・・隠されてたなんて知ったら黙ってねぇと思う・・・」
もう・・・・事実から目をそむけることは出来なくなった。
母親も、肯いているんだから。
その時、聞き覚えのある声と共に俺の肩に手がおかれた。
血管が浮き出てごつごつした、俺の好きだった手が。
「錬・・・」
見上げた先に居たのは、冷や汗をかいた親父だった。
「・・・んだよ・・」
「話があるんだ・・・。母さん、愛子ちゃんを見ていてくれないか」
母さんは、黙って静かに肯いた。力なく首を縦に。
荷物とコートをかかえ、この場を立ち去った。
後姿は何か、想像を絶するようなことを語っているようで怖かった。

