その薄いピンクの花を咲かせたカリンは、まさしく僕の想いに似ていた。薄く色付くその想いは、そのうちきっと。満開の花を咲かせるんだろう。



「桜、みたいですね。」

「…そ?ボケの花みたいだよ。」



僕の言葉に藍さんはクスクス笑って。

…ほら、やっぱり。僕は君に狂い咲いていく。



「私、このお花、好きです。」

「…うん。」



何だか僕のキモチを受け入れてくれたみたいで、凄く嬉しかった。



「僕も、好きだよ。」



呟いた台詞は君とは違う意味だけれど。君がまた笑ってくれたから、僕はそれだけでいいんだ。