君が笑う瞬間。僕のモノクロの世界は鮮やかに色付いて。世界はこんな色をしているんだと、知った。



「…武田、凌です。」

「武田さん、宜しくお願いします!」

「武田じゃなくて…凌で、」



君には、名前で呼んで欲しいと思った。武田でもタケでもない、一人の人間として。

つまらない、と思っていた世界は一瞬で鮮やかに染まって。僕の心が激しく脈打った。



「…宜しく、藍さん。」



フワリ、と笑えた自分に驚いた。生まれて初めて見せた笑顔は君の為。

…なんだか可笑しいよね。