「待ってください」
広間に響いたのは、麗華の声だった。
小走りで近付いてきた麗華は、ハアハアと息を切らしながら、荻窪の横に並んだ。
「荻窪くんはのぞきなんかしてません。今までずっと、私といっしょにいましたから」
「マジかよ、荻窪。ふざけんなよ!」
ジャージ3人組のリーダー格が、荻窪に向かって叫ぶ。
「麗華は俺っちが狙ってんだよ。知ってんだろ? おまえ、麗華には興味ないんじゃないのかよ」
簡単に返事をすることは出来ない。荻窪も、麗華のことが好きなのだ。
黙していると、麗華が口を開いた。
「狙うのはかまわないけど、私は荻窪くんのほうが好きよ」
それがリーダー格に大ダメージを与えたようだった。
「グフッ」と喉の奥から奇妙な音を出し、グッタリしてしまった。
「さ、コーヒー牛乳買いに行こ」
麗華に手を引かれ、荻窪は売店へ入っていく。
「ねえ、荻窪くんはもっと、自分を出していいと思うよ」
その一言で、荻窪は自分の心が晴れ渡るのを感じた。
それはまるで、梅雨晴れのように。
また雨は降るだろう。それでも、いつか現れる太陽を待てば、頑張れるのだ。
荻窪はポケットに入れた硬貨を、ギュッと握り締めた。
おしまい
広間に響いたのは、麗華の声だった。
小走りで近付いてきた麗華は、ハアハアと息を切らしながら、荻窪の横に並んだ。
「荻窪くんはのぞきなんかしてません。今までずっと、私といっしょにいましたから」
「マジかよ、荻窪。ふざけんなよ!」
ジャージ3人組のリーダー格が、荻窪に向かって叫ぶ。
「麗華は俺っちが狙ってんだよ。知ってんだろ? おまえ、麗華には興味ないんじゃないのかよ」
簡単に返事をすることは出来ない。荻窪も、麗華のことが好きなのだ。
黙していると、麗華が口を開いた。
「狙うのはかまわないけど、私は荻窪くんのほうが好きよ」
それがリーダー格に大ダメージを与えたようだった。
「グフッ」と喉の奥から奇妙な音を出し、グッタリしてしまった。
「さ、コーヒー牛乳買いに行こ」
麗華に手を引かれ、荻窪は売店へ入っていく。
「ねえ、荻窪くんはもっと、自分を出していいと思うよ」
その一言で、荻窪は自分の心が晴れ渡るのを感じた。
それはまるで、梅雨晴れのように。
また雨は降るだろう。それでも、いつか現れる太陽を待てば、頑張れるのだ。
荻窪はポケットに入れた硬貨を、ギュッと握り締めた。
おしまい


