「伊藤先輩。」


珍しく千里くんがいた。


って、今日は、水曜日だった。


千里くんは、だいたい毎週水曜日にくる。


「千里くん、早いね。」


「はい。
今日は、大丈夫だったんで。」


千里くんが遅くなる日は、女の子たちがしつこい時だ。


「彼女は?」


「いないですって。」


「絶対、あの子が彼女だろ?」


珍しく千里くんが女の子と一緒に歩いてた。


実依ちゃん以外は、あり得ない光景だから。


「違います。
たぶん、幼なじみっすよ。」


「ふ〜ん。
まだ、幼なじみって事か。」


「伊藤先輩!」



どうしても、否定したいのか。


「千里くんさ。
自分が彼女をどんな目で見てるかわかってる?」


そうは、させない。


「わかってますよ。
小さい頃から、ずっとあいつだけを思ってきてるんだから。
けど、あいつは俺を見てくれないから。」


そういうことか。


けど.....