「まあな。
俺は、誠実じゃないから。
本当に大切なやつに
『愛してる』
って、言葉、伝わらなかった。」


「梨依、言ってましたよ。
愛したい人がいるのに、なんで遊ぶんだろうって。」


「はっ?」


百輔さんは、めちゃくちゃビックリしている。


「梨依が、
『一度フられたからって、諦めるなんて、もっくんらしくないんだから。
フットワーク軽いくせに、ダメージくらいすぎ』
って。」


俺は、梨依が言っていたことを思い出しながら伝えた。


「あはっ。
梨依には、バレバレか....」


百輔さんは、参ったと額に手を当てた。


「後もう一つ。
『後一押しだったのに、あれじゃあ、もう完璧ムリかも』
って、梨依が泣きそうな声で呟いてましたよ。」


「脈なしだって思ってたんだ。
だから、マジなのに投げやりに言うしかできなくてさ。」


「百輔さん、そんなんじゃ伝わらないですよ。
本当に大切なら、真剣に伝えるべきです。」


俺は、梨依に想いが伝わるように梨依だけを思い続けた。


いろいろあったけど....