『運命ってあるんだね。』


私を見た瞬間そう言ったあの人。


忘れたかったことが、走馬灯のように見えた。


死ぬなんて決断したくなかった。


けど、逃れられない運命なんだと思った。


何食わぬ顔をして、さっきもいたから。


どう考えたって、無理なわけで。


なら、私が消えたらいい。


それが、解決の道になるなんて思わない。


けど、今の私には、それしか思いつかないから。


忘れたい。


忘れられたら、まだ生きていられるのに。