「梨依ちゃん。
ちゃんとした結果がでたら、また話しましょうね。」


「はい。」


優しい人でよかった。


もし、知り合えなかったら、不安で不安で溜まらなかったと思う。


妊娠の心配がなくなっただけよかったのよ。


「そう言えば、梨依ちゃん。
親御さんは?」


「海外ですけど、どうかしましたか?」


私は、ケロッと言った。


「じゃあ、今、保護者は誰なの?」


「兄夫婦です。」


「次は、連れてきてね。」


「えっ?」


私は、目を見開いた。


せっかくの嘘が、壊れてしまう。


「あなた一人では、ダメよ。
家族が一丸となって、立ち直って貰わなきゃ。」


「無理です。
私、覚えてないフリしたから....」


「そうよね。
はっきり言えないよね。」


先生は、何かを考えているようだ。


「すみません。」


私は、謝るしかできなかった。


「いいのよ。
私もわかるから....」