「あの....
保健の先生は.....」


そうそう当初の目的。


「あぁー。
まだ、帰ってこないぞ。
で、どうした?」


意外に心配してくれるのかな?


「そうですか.....
じゃあ、我慢するしかないのか.....」


我慢できるよね。


私の痛みなんて大したことない。


「君、どこ怪我したの?」


「突き指です。
だから、大丈夫です。
では。」


私は、突き指した手を見せてから、保健室出ようとした。


そうここで、私と先輩の繋がりは切れるはずだった。


もとから、関わらない人だと思ってたけど。


「待てよ。」



先輩が、私の腕をつかんだ。


「はい?」


私は、振り向きながら首を傾げた。


引き留める理由なんて全くないでしょ?


それでも、引き留めてくれた。


今でも、この出来事に感謝してる。


だって、この日があってこその私と惣くんだから。


でも、親しくなるきっかけになったんだけど、その時は、苦しくなるだなんて思わなかった。


だって、恋を知らなかったから。