それから月日が流れた。

相変わらず神谷くんはあたしを名前で呼ぶ。


「あ!愛里ちゃーん!」


声がした方を見た。

神谷くんが手を振っている。

あたしはクスリと笑って振り返した。


「もう聞き慣れちゃったね、神谷くんが愛里を名前で呼ぶの」

「うーん、最初は抵抗あったけどね」

「でも、もし夏目先輩がこのこと知ったらどう思うかな」


なながボソリと呟く。