「愛里ちゃん!ノート貸してくれる?」

「愛里ちゃん!昼ご飯一緒に食べようよ!」


それから、神谷くんはあたしがクラス委員だからなのか、なにかあるとあたしに頼るようになった。

場所を考えずに呼ばれるあたしの名前は、ますます注目を集めた。


「愛里ちゃん!」


今日もまた呼ばれる。

あたしは微妙な表情で振り向いた。


「…何?」

「先生が呼んでたよ」


いたるところからの視線を感じる。


「あ…分かった。ありがと!」


あたしは素早く教室を飛び出した。