学校が始まった。


「愛里!おはよ!遅刻しないなんて珍しいね~」

「……」

「愛里?」

「え…?あ…おはよ」


遅れて返事をする。

あたしはまだ立ち直っていなかった。

いや、これからずっと立ち直ることはないと思う。

涙を流す日々は続く…


「愛里…なんかあった?」

「いや…別に…」


夏休みで起きたことは、誰にも言いたくない。

できるだけ思い出さないようにしたいから…


「…ま、話したくなったらいつでも言って!」


そう言ってななが笑う。

あたしも無理して笑った。