な、なんで睨まれる必要があるわけ?
少し構えながら睨み返すと、さも不機嫌そうに瞳を逸らされて。
「男子の稼ぎ手は俺、女子はお前」
どうせ如月がそう考えてんだろ、と首を鳴らしながら溜息をついた。
如月…?
あぁ、沙羅ちゃんか。
「なんで?玲羅が稼ぎ手でしょ?」
「…めでてーヤツ。身長が小さかったら脳も小さいわけ?」
「小さくない!!」
そうやってすぐ身長をバカにする!
身長とか顔とか、自分じゃどうしようもならないところを批判するのはいけませんって、習わなかったのかコイツは!!
…もしかして。
「あたしがガキっぽすぎて目立つって意味?」
コイツならあり得る、と思って睨みつけると、一瞬眉をひそめられた。
あれ?違った?
そう思って少しだけ嬉しくなったのに、
「へえ、多少の知能はあるんだ」
すぐにものすごく後悔した。


