KING CASTLE


そういうこと、ね。


昨日仲直りでもしたのか、妃芽ちゃんが朝の生徒会に参加した。
それで優の機嫌も直ったのか。


「ホントにもう!妃芽がいない間どうなることかと思ったわっ」

「……で、でもあたしいなくても…仕事ないわけだし…

「妃芽!」

「す、すいません」

ゴニョゴニョと、玲羅ちゃんに不平を述べた口を急いで閉じていた。

あぁ、可愛い。

優が夢中になるだけある。


「きゃー妃芽ちゃーん!」

「ぎゃっ絢芽先輩…っ!」

絢芽先輩は、いつものノリで抱きつこうと両手を広げ。
妃芽ちゃんは、逃げたくても逃げれない状況に変な声をあげ。

優は小さく溜息を吐いてから、妃芽ちゃんと絢芽先輩の間に立った。


「会長ぅー」

口を尖らせる絢芽先輩を前に、肩をすくめてみせて。

「何度も言うように、あんまり触らないでいただけますかね」

なんて、独占欲がチラッと垣間見えるような言葉を吐いた。