「いい?だから…
ードンッ
絢芽先輩の言葉の途中で、大きな音がして。
そっちをみると書類を乱暴に机の上においた伊吹が、とてつもなく不機嫌そうに顔をあげていた。
「始めるぞ」
一つ、呟くように言うと、水無月先輩がノンフレームの眼鏡をクイッとあげた。
「今日は文化祭関係の仕事です」
書類を見ながら、水無月先輩は話し出す。
テキパキと仕事の振り分けをして、役員はそれに取りかかった。
そこまではよかった。
そこまでは問題なかったんだけど。
ーパチン…パチン
ホッチキスを止める、むなしい音が生徒会室に響き渡る。
「……」
ーカタカタ…
キーボードを打つ、スムーズな音も響き渡る。
「……」
今この空間にいるのは、二人だけ。
文化祭の説明書類を閉じるあたしと、
なんか難しいことをパソコンでしている…伊吹。


