KING CASTLE




「ひーめーちゃんっ!遅いよー」

「え、あ、ごめん龍聖」

生徒会室に戻ると、ニコニコ笑顔を浮かべながら龍聖が言う。
それにハッとして返事を返した。

すでに他の役員も集まっていたみたいで、あたしが最後だということに気付かされる。


「なになに〜?コ・ク・ハ・ク?」

語尾にハートマークでもついていそうな物言いで、楽しそうに聞かれ。

ぴくっと、肩が反応してしまった。


だってそんな、的確に図星つくなんておかしいじゃない!
龍聖のカンよすぎ。


「へえ。やっぱりそうなんだ。優が妃芽ちゃん連れてこないなんておかしいと思ったあ」

そういってチラっと伊吹を見る龍聖につられて、あたしも目を向ける。

ちょっとくらいこっち見てたりするんじゃないかと思ったのに。


我関せず、とでも言うかのように黙々と資料に目を通していた。

なにアイツ!ムカつく。

気付くまで睨みつけていてやるつもりだったけど、それはできなかった。

「ちょっと妃芽ちゃん!そんなのダメよっ」

血相を変えたお姉様に肩を強く揺すられたから。