KING CASTLE


「入学式のときから、可愛いなって思って…!それでっその…っ」

次々と篠原君の口からでてくる言葉に、呆然とした。

だって告白されるなんて思わなかったんだもん!

……こ、この場合ってどうすればいいの?
今まで告白なんて、こんな面と向かってされたことなかったし!

伊吹とかなら、うまいこといって断るんだろうけどさッ。


って。

伊吹はもしかして、篠原君が何を言おうとしてたか、気付いてたのか?

なんかそういうのに敏感そうだし。
気付いてたのかもしれない。

だからあんな冷たい瞳で睨んだんだ!

“お前、生徒会の仕事サボって告られに行くなんて、10年速えんだよボケ”ってことなんだよ!

違うっつーのあの野郎っ。
あたしはこんなこと言われるなんて気付かなかったし!

てかサボってないよ、まだ始まってねーだろバーカっ!!


「と、友達からでいいですっ!お願いしますッ」

心の中で悪態をついていたあたしが返事をするまえに、そう篠原君は言って。
その姿が余りにも必死そうだから。


「は、はい…」

思わず、うなずいてしまった。