「今日は、部費の調整を行う」
不機嫌そうに書類をみながら、伊吹が言う。
「柔道部、空手部、コンピューター部、サッカー部が、学校支援費の増量を求めてきた」
伊吹の言葉に、少し役員がざわついた。
ウチの学校の財政で、学校から部活への支援費がある。
活動の少ない部活でも、一年で40〜50万くらい。
当然そういうお金は学校に貢献する部活への割合が多いけれど、伊吹の言った4つはあまり貢献していなかった気がする。
「まぁ、会長が就任したばかりで、脅せば簡単にいけると思ったんだろ」
なめやがってんな、と銀河は舌打ちをしながら言った。
「私もたしかにそう思う。柔道部の輩は反対勢力の中心だ」
背の小さい女の子も銀河に賛成する。
少し古くさいようなしゃべり方だな…。
顔は綺麗に整ってるけど、あんまり笑わなさそうな感じ。
「麗愛先輩は、武道を極めた家柄なんだよ」
そう言ったのは、やっぱり隣に座る玲羅だ。
にっこりと笑顔を浮かべてその女の子の説明をする。
って、先輩だったの!?
身長同じくらいなのに。
「笑うのは苦手なんだってー」
玲羅に言われて、だから笑わないんだ、と少し納得した。


