「ちょ…せん…ぱっ…!ぐ…るじ」
「え?なに!?どうしたの妃芽ちゃん!もっと笑って!」
いや、この状況でどう笑えと?
おそらく素で言ってる。
あぁ、あたしはこのまま絢芽先輩に絞め殺されて死ぬのだろうか…。
「絢芽、蒼井さん死にそうだけど?」
ノンフレームの眼鏡が似合う、紳士的な顔つきの美青年がいった。
大人っぽい感じから先輩だと思うけど、優しそうだわ。
唯一の普通の人かもしれない!
「え、やぁだ〜!ちょっと妃芽ちゃんどうしたの!?」
「い、いや…あの…」
「絢芽ならそのまま殺しかねなかったから」
フッと微笑む彼は、本当にいい人そう。
だと思ったんだけど。
「水無月先輩は、笑顔でいろいろやるからね」
ふふっと楽しそうに、玲羅に耳打ちされた。
中学からエスカレーターで上がってきた面々は多いため、生徒会の顔ぶれもだいたい一緒らしい。


