自分の住んでいるマンションの階段を一段、一段とゆっくり踏みしめるようにのぼる。


ビュービューと台風の前兆のように吹く強い風邪。

階段から落ちないように手すりを持ち、
進んでいく。



20段くらいのラセン階段を上った先は
マンションの屋上。



マンションは30階。



その頂上からみる空はさっき見たときより
リアルで迫力があった。



今からきっとすごい台風が来る…




屋上から下を見ると震え上がるほどの高さだということをいまさらながら感じた。




  あたしの最後にはぴったり…




あたしはフェンスをまたがり、
フェンスの外側に身を乗り出した。




あたしを支えるものは何もない…
あたしを守るものは何もない…



いいことなんか全然なかった
お父さん、お母さんごめんね。



あたしもうダメみたいだ…
だからいまから会いに行くよ。





  神様が助けてくれないから







ビュー…





静かに目を閉じそっと身を風に任せた。
あたしのスベテを…