「今のが託宣か……」

スネアは初めて見るソナの巫女としての姿に、複雑な表情を浮かべていた。
無理もない。
普段、食う・寝る・遊ぶ以外の行動しか見せないソナが、仰々しい口調で眠りながら喋ったのだ。


「俺も初めは驚いたさ。
……ところでスネア。
海を越える手段について、技術者であるお前に相談があるんだが」

「相談?」

「一旦、ハイハットに戻ろう。
話はそれからだ。
……ソナ、起きろ。
出発するぞ」

気持ち良さそうに眠っているソナの額を小突き、目覚めを促すバード。

「ふぎゃっ!
う〜ん………
バード、おはようニャ。
どこへ向かうのニャ?」

「ハイハットの街だ。
そこで次の目的地に向かう手立てを考える。
ハイハットに到着次第、俺とスネアは忙しく動き回ることになるから、お前は世話になったおばさんの店でおとなしく待ってろ」

「ニャ♪
おばさんの店に行けるニャ?
また美味しいものが沢山食べられるのニャ!!
早く行こうニャ!」

「………度々、お前の脳天気が羨ましく思える」


日は暮れかかっていたが、三人は来た道を引き返して再びハイハットの街を目指し歩き始めた………