「そう言えばソナは?
戦闘には巻き込まれていないはずだが……」

スネアが辺りを見回すと、ソナの足らしきものが岩場の陰から出ているのを見つけることができた。

安心させようと駆け寄るスネアだったが、

「……!?
バード!
ち、ちょっと来てくれ!!」


「どうした?」

憎しみに高揚した心を落ち着けて、スネアとソナの元へ歩み寄るバード。

「!!
……ソナは降霊状態に入っている。
精霊の託宣が始まるぞ」


岩にもたれて眠っているソナの、どこか神秘的な雰囲気………
以前にも見たことがあるバードには、それが意味することを即座に理解した。

(奏者に導きを示す精霊は、ソナの意思で降霊している訳では無い。
こいつの正体は、ソナの手に負えない程の上級精霊たる『威霊』なのか?
あるいは………)


やがてソナの口を借りて精霊が語り出した。

『奏者達よ。
海を渡り、朝日の先にある大地へ向かえ。
次なる奏者、その地にて出会えるであろう。
但し……
その者達、汝らの思い通じ難し信念を持つ。
心せよ……』