……全てのピンチを退け、二体の鳴流神も天空へ帰還して行った。

バードとスネアも互いに助けられたことに感謝し、熱い握手を交わす。
スネアの衣服は端々が焼け焦げており、顔や手にも火傷の痕跡が見受けられた。


「しかしスネア。
あの状況で、どうやって鳴流神と契約できたんだ?
あんな短時間で鳴流神に乗り込めた奏者なんて、前例が無いぞ」

「ああ、まさにイチかバチかの賭けだったさ。
しかし、必ずうまく行くと信じていた………」


…………


焼け落ちる寸前の山の中へ駆け込んだスネア。
奏者の危険を察知し、鳴流神は動き出した。
ストレグンを捕らえるために伸ばしていた腕を引き戻し、スネアを追い始めたのだ。

「よし、良いぞ。
そのまま俺を追って来い!」


思惑通りに事は運んだものの、迫る炎と熱気は徐々にスネアを追い詰めていた。
辺りの酸素も大規模な燃焼によって、かなり薄くなってきている………

「ち……ちょっと調子に乗りすぎたか。
……息が苦しい………
だが、あとはバードが……
何とかしてくれる……
はず………」