『お前の戦う理由は分かった。
だが、それでも私は……
ジョウルリを護るために、降り懸かる火の粉を払わなければならない。
それが私の務めだから!』

デヴァーシャが剣を構え直す。
だが、まだブラスオの周囲には結界が張られたままだ。


『バード、結界を解け!
こやつを………斬る!!』

ブラスオの目をチラリと見るストレグン。
その瞳は

(構わない。
結界を解いてくれ)

と言っていた。


ストレグンが右手で風を凪ぐように払うと、ブラスオの周囲にあった空間の歪みが消え去った。

『生憎……
俺も、ただで殺られる訳には行かない。
抵抗はさせてもらうよ』

両腰からホルンのような形の拳銃を抜き、それを縦に横に回して華麗なガンプレイをして見せるブラスオ。
デヴァーシャも刀を静かに、腰だめに構える。

『この距離は私の間合いだ。
早撃ちに自信があっても……』


バァン!!

カチィンッ!!


デヴァーシャの言葉が終わらない内に、ブラスオの拳銃が火を噴く!
ほんの僅かな、一瞬の時間差で鳴る金属音。
デヴァーシャが弾丸を居合いで弾き落とす音だった……


『銃が見えている限り、弾道を読むことは出来る。
勝負だ………』

『面白い。
久々に楽しめそうだ。
行くよ、女剣士!』