「…勝田くん?」


顔をあげると、
相原舞が心配そうに
首を傾げていた。



「…なんで」


正直な感想だった。
だってここは、
俺の仲間しか知らない、
暗く人気のない倉庫だったから。


「ごめんね。
直樹がここに入るの、
見た友達がいて…
なんだか、見たくなったの。
彼が事故の前に見た景色を」



…あの日も、
あいつは俺を説得しに来た。
見られてんじゃねーよ…。


驚いて言葉が見つからない俺をよそに、
この風景に一番似合わない相原舞は続けた。


「まさか、勝田くんがいるとは…
…思わなかったけど」



…嘘だ。
相原舞は知ってるんだ。
俺が、あの事故と、
関係があること。