「今日か。
まぁいい」











奏は、運転手にさっきの店に戻れと言った。







何か、奏って不思議。












「ねぇ?」











「あ?」











「あたしが甘えても奏は、得なんかしないのに
何で甘えろなんて言うわけ?」











「得とかそんなの関係ねぇよ
俺は、ただお前に甘えて欲しかっただけだ」












何で。


何で、そんなに優しいの?



自分がいつ傷つくかわからないのに。








「意味わかんない…」











「今は、わかんなくてもそのうちわかる」











そのうちね…。




あたしにわかる日が本当に来るだろうか。











「ねぇ、お姉ちゃん!」











「湊くん、何?」












「何で、お姉ちゃんは…
時々、苦しそうで悲しそうな顔をするの?」