「うるせぇな
いいだろ?
美味いんだから」
奏に美味しいって言われるだけで…
嬉しさが込み上げてくる。
「まぁ、いいけど…
あ!もう授業始まってる!」
奏と話してたらあっという間に時間が経ってる…。
授業に行かなきゃ…。
「あたし、行くから」
長くいると未来と一樹に勘違いされるし…。
授業受けないと未来がうるさいし。
行かないとっ…。
本当は、もっとここにいて奏と話したい…。
もっと…
そばにいたいけど…。
行かなきゃ。
急いで行こうと立ち上がり、ドアの方に向かった。
ガシッ
「えっ?」
いきなり奏に手首を掴まれて引き寄せられた。
「まだ行くな。
ここにいろ」
奏…。
そんな顔されると行きたくなくなる。
「しょうがないなぁ
奏のためにいたあげる」

