リビングに入るとお味噌汁のいい香りが広がっていた。
朝、動いたからお腹空いた…。
それに眠いし…
あの夢のせいで…。
思い出したくないのに。
それにキス…。
「麗ちゃん!
早くご飯食べないと!!」
「あ、はい!」
うん…。
やっぱり、知美さんの料理は、美味しい。
優しい味で、温かい。
でも、どこか懐かしいんだよね。
うん?
何か、忘れて…。
あっ!
未来がいない!
「知美さん!
未来は?」
「未来ちゃんは、部活の会議があるって先に行くって…」
「そうですか。」
行ったんだ…。
大丈夫かな、未来。
まぁ、一樹の行動次第だし…。
あたしも人の心配ばかりしてる場合じゃないんだけど…。
そろそろ学校側があたしの正体に気づく頃だし…。
はぁー。
「ごちそうさまでした。
それじゃぁ、行ってきます」

