「華恋の夢は、皆を魅了するピアノを弾く
ピアニストになることなんだ!」
「華恋なら、なれるよ」
「華恋ちゃんのピアノは、人の心を動かすものがあるもんね!」
また、夢…。
如月華恋だったころのあたしとお母さんとお父さん…。
思い出したくないあのころ。
しまったはずの思い出…。
「うん!
絶対になる!
なったら、世界中のあっちこっち行って、コンサートするんだ」
「パパも早く見てみたいなステージで演奏する華恋を…」
「ママも見たいなぁ」
今のあたしは、この夢を捨ててしまった…。
いや、まだ…
捨て切れてない…。
ただ…
夢や両親を恐れてるだけ…。

