コンコン


ドアをたたく音がして親父が返事をした。



ドアが開く。



「あの・・・どちらさまで?」


入ってきたのは


俺とおんなじ年くらいの女の子だった。


サラサラした肩まである髪。


白い肌。


「・・・・。」



女の子は答えず俺たちを見つめた。


「??」



たしかにかわいいけど・・・。なんか、ネガティブ系?


するとその子は持っていたノートをひらき何か書き始めた。
そのノートを俺たちに見せてくれた。



『葉子さんは?』



顔がムッとしてるし殴り書きだ。
怒ってんのかよ?逆ギレ?んで、しゃべんねーの?まず自己紹介だろ、フツー。

ちょっとコイツむかつく。


「あぁ。ごめんな。葉子、空になったんだ。」

『なんで?あんなに元気だったのに。』

殴り書き。


おい・・・。
自己紹介・・・。



「死んだもんは死んだんだよ。」


俺はわざとそういった。
親父に「おい。」って言われたけどムシ。

俺は自己紹介しねーやつが大嫌いなんだよ。なのに馴れ馴れしく。


『あんたが葉子さんの子供?』