ラブ・エンプティ



雨はいつまでも静かに降り続いた。



先に集合場所に到着したあたしは、ポケットにつっこんだ右手でわずかなぬくもりを握る。



反対側の歩道にさやかの姿を見つけて、小さく手を振ると



気づいたさやかがこれでもかと大きく手を振り返してきたので、

思わず笑ってしまった。