MHKのひきこもりの特別番組をみながら僕になにか希望がないか模索していた。
 ある日、以前から相談していた地元の保健所の保健師さんに生活支援センターなる耳慣れない心の病の人たちのための居場所を紹介された。
 そこに初めて足を踏み入れたのは二十一歳の初春だった。たしか二月十日だったのを覚えている。とにかくバレンタインの前だったんだ。
 Sという躁鬱病の四〇代の普通そうに見かけはみえるおじさんがお山の大将であった。
まあ若者でもないしそんなに悪い人には感じなかったため僕は新宿のデイケアの時とは違い馴染むことができた・・。よかった心からそう思った。
 生活支援センター「ころころ」は台東区が運営している精神障害者の支援施設だ。主に電話相談業務や面談での相談、そして居場所の提供である。
 生活支援センター「ころころ」は他の東京二十三区内の精神障害者生活支援センターの中で一番居場所が大きい。とにかく精神障害者の居場所のなかで広く秀逸なのだ。秀逸というのは、まずスタッフさんがとてもよい、居場所の内装がとても綺麗、極めつけは所長である堺さんがカリスマ性のあるすばらしい人だということだ。たしか62歳くらいであったとおもう長年精神障害者の人の相談を保健士として解決してきた。すばらしい女性なのである。会ってそう素晴らしいと直観で感じてさらに、話して直感が確信になった。