「うん…」 「やっぱり、あのことが原因なの…?」 「うん…。でもね、その…これから通う坂高は部活がさかんで、受験するか迷ってた学校なの。だから…あたし…」 宮本の顔を見ながら話すと涙があふれてきそうで、穂香は階段の手すりに視線を移した。 あたしは大丈夫だよ、って笑顔で伝えたいのに…喉に何かがつっかえているかのように上手く言葉を発せなくなってしまった。 「…無理すんなよ」