触れるだけのキスだった。 だけど、唇は確かに感触を残していて。 ……(ひゃあ!)。 やめやめっ! さっきのは忘れろ! あんなのはファースト・キスでもなんでもなかった! 一度熱を上げた頭は冷めることをしてくれなくて。 言いようのない気持ちがぐちゃぐちゃしてて居心地悪かった。 くそぅ、いつか化けの皮剥いでやるんだから! 新たな闘志も燃やしつつ。 それよりも。 今は彼が去り際につぶやいた言葉ほうが重要だ。 .