静まり返る室内にどうしようかと本気で焦り始めた頃、ガタンと誰かが席を立つ。 それで糸が途切れたように再びザワザワと賑わい出した。 「ちょっと…っ。美羽!」 ホッと胸を撫で下ろしていると焦りを滲ませたような環奈の声が聞こえた。 それに呆けた声で返事をするあたしは、目の前にいた例の人物に目を剥いてしまった。 .