そのオトコ、要注意。


環奈を軽く睨むも本人は全く意に反さずで、そういえば、と流される。

「美羽ん家の辺りに外国人なんて住んでんだね」



「あんなとこにいたってことは、それなりにご近所さんなのかもよ」

「え…まさかぁ」

あの近辺に外人が越して来たなんて。
そういう情報はご近所ネットワークで筒抜け…というのが相場と決まってる。
外人ともなれば余計に。
なのにお母さんはそんな話したこと無い。


「また偶然ばったり…なんてこともあるんじゃない?」

ニマニマ笑うのはあの失態のことを言いたいのか。

どこまでも確信犯な親友に小さく息を吐く。


「ほんと、何の用だったんだろ…」

あたしみたいな高校生に尋ねるなんて。


.