『ただいま…』 玄関に入った瞬間、急に視界が歪んで見えた。 フラッと倒れそうになった時、何とか壁にもたれかかった。 まただ…。 あたしは時々急に息苦しくなる。 何でだろう。 「お帰りなさい」 ママは座り込んでいるあたしを見て驚き、慌てて駆け寄った。 「樹梨!大丈夫!?」 『大丈夫だよ。ちょっと疲れたのかな…でも、ほんとに大丈夫』 あたしはママに笑顔で言った。