いつだったか、たまたま魚住の部屋に来ていた大家さんに「階段の手摺、ペンキがはがれてるよね」なんて言ったら、次の日には手摺を塗っていた。目の覚めるよな真っ赤な色で。その真新しい手摺は、私のために在る気がして、ちょっと照れた。