ぐっちゃぐちゃに泣いた私は、鼻水垂らして目を腫れさせて、そうとうみっともなかったと思う。


でも、黙ってコタローさんは、よしよしってしてくれた。



先輩も、きっとこういう風に、歴史を積み重ねたんだね。



だから私も、いつか。



「ありがとうございます、コタローさん。」



いつか誰かと、たくさんの歴史を積み重ねてゆきたいと。


「もう大丈夫です。ちゃんと失恋、しました。」



そのためにも、綺麗になりたいと思ったから。



「帰りましょう、『BLUE BIRD』へ。」



そんな言葉が、すんなりと口から出たんだ。