「すびばぜん…」

鼻水すすりながら謝るな!


「セイさんって、ただの甘党意地悪天使じゃなかったんですね…。」

おいこら。ケンカ売ってんのか。

「でも、私、セイさんみたいな人、好きです!」

次は告白かよ!俺には椿が…って、そういう意味じゃないのはわかってるけどさ。

「私たち患者からしたら、お医者さんとか、雲の上っていうか、悩んだこともなく生きてる感じがして。死ぬことも何にも感じてないように見えるんです。でも私、セイさんのような人がお医者さんだったら…そういう怖さとかわかってくれる人が…お医者さんだったらいいって思います!」

…黒田ミナ。顔フツ―。性格内向的。ホント、今までの依頼人と比べて冴えない事この上ない。


でも、俺を救ってくれたのは、傷を舐め合っている兄弟でも、理想的に接する継母でもなくて―…。

「ありがとう…」

小声でしか言えないけど。

泣くのを我慢するんだ、当然だろ?