Don't leave

ソファで彼に巻き付く。



抱かれた後の、
ベッドで微睡む時間も心に刻んだ。




ソファで彼の体に私の手足を巻き付けて、

胸に顔をうずめる。





彼の体温。


鼓動。





私の大好きな、



大好きな彼を作る全てのモノを忘れない。





彼の顔を真っ直ぐに見つめる。



いつもするみたいに、彼の頬を両手で撫でる。



こうやって彼の頬を両手で優しく包んで撫でると、彼は必ず、


「ふにゃ~。またやってる…」


と言って満面の笑みを見せてくれる。



それを眺めながらひたすら撫でて、


「だって好きなんだもん!」


と笑って言い返すのが、いつものやり取り。





けれど、




私の表情が、




きっと隠しきれなかったんだろう。





彼は、首を傾げたまま、優しい目で、



「ん…?」


と言った。







言わなきゃ。
言わなきゃ。





言うんだってば、結子。








「……私は、つかささんを裏切るよ。」