Don't leave

帰宅してから、



彼にメールを送る。



『今日はありがと、話を聞いてくれて。』




心が軽くなったから。



『話してくれてありがとう。…益々、結子を好きになったよ。』



あんな話を聞いておいて、益々好きになるとは、つくづく変わった人だと思う。


でもそれは彼なりの気遣いや優しさかもしれないし。


たとえ本心でなくても、
私には彼の言葉ひとつも、支えになるから…


それでもいいんだよ。







「…どうしよう。これ払わなきゃ、電気が止まる…」


キッチンにカフェオレを作りに行った時に、お母さんが頭を抱えていた。


「電気と、あと早急に支払わなきゃならないのはどれ?」


隣に行って請求書の山を見る。


電気どころか水道もガスも電話も。


全部全部、切られる直前。


毎月これだから胃が痛む。



「お母さん。これで払ってきて。」



会社の売上からそれを出す。



「いいの?あんた大丈夫なの?」



「大丈夫なんかじゃないよ、でも払わなきゃ暮らしていけないじゃない。」



私は造り笑いを浮かべた。



最近あの男の給料はかなり減っている。


当然だ。


元々薄給なのに加え、やれ気に食わないヤツがいるだの、こき使われるだの、体がダルいだので休んでばかりいるから。


少ない給料がさらに減り、その中から酒代や煙草代を惜しみなく使い、パチ代や借金返済を優先すれば、


お母さんに渡すお金など微々たるもの。


偉そうな父親風吹かすくせに10万も家に入れる事が出来ない、情けない男。


いや5万あるかどうかも怪しい…



お母さんの苦労を考えれば、

私が何とかしなければという焦りは日々強くなる。