Don't leave

翌日。

私以外誰もいない家で、私はご機嫌でチョコレート作りをしていた。


これでもかという程に広がるチョコの香り。


むせかえるその甘い香りに、

実感する。


凄く久々に作るチョコレートは、つかささんの為。


基本的に不器用極まりない私はお菓子なんて作れない。


蒸しパンやホットケーキくらいしか作れない。

勿論、家にはオーブンレンジなんていうものはなく、普通のレンジしかないから当然なのだけど、それでもお菓子作りが好きなら、きっと創意工夫すればまだ何種類かレパートリーは増やせるはずで。



チョコレート作りも得意な方ではないけど、私の作るヘンテコなトリュフは何故か昔から評判が良かった。


板チョコを湯せんで溶かし、生クリームを入れ、よく混ぜる。
少し時間をおいてからそれを丸める。
その際、細かく刻んだくるみ、ラムレーズン、粗く砕いたバタークッキーなどを入れて歯ごたえあるトリュフにしてしまうのが、結子流。


だけど、今回はちょっと違う。

ラムレーズンしか入れない予定。


何となく、そちらの方が大人なつかささんに合う気がして。


レーズン入りを3個、レーズン無しを3個の合計6個にしよう。

そしてレーズン入りはココアパウダーで仕上げて、レーズン無しの方は至ってノーマルに。フォークでトゲトゲにしよう。


考えながら鼻歌を歌ってて、私はある事に気付いた。



…生クリーム、買い忘れてるじゃないのバカ結子ぉ!!