Don't leave

私の言葉はスルーして重ねてつかささんが聞く。

「僕は、結子ならこれかこれか…どちらかが似合うかなって思うんだけど」

黒…光沢があるからメタリックブラックと言った方がしっくりくる、そんな色。


それと深い深い紫。
見ようによっては黒にも見えそうな。
これも光沢のあるダークパープル。


「どっちがいい?」


「…この紫…かな…」


「やっぱりね。すみませーん!試着したいんですけど。」


ひぃぃ!やっぱり!


「ちょちょ、ちょっと!試着なんかしないってば!要らないし!」


試着したら最後、彼は買うに決まっている。


こんな高そうなデニム、無理、司さんに悪い。



「はい、試着ですね?サイズは…」


イントネーションが関西風の可愛いお姉さんがニコニコと出て来て、勝手につかささんと盛り上がっている。


彼の満面の笑み。


絶対買うつもりだ…



「じゃあこのサイズで試着ですね。こちらへどうぞ。」


つかささんを軽く睨むけど、

笑ってばかりで話にならない。


「はい結子ちゃん試着しておいでー」



……本当にもう……