Don't leave

会社に送ってもらい、


「じゃあまた後でね。」
と手を振る。



誰もいない、狭い社内はおそろしく寒く、暖房を入れてもすぐには暖かい空気は充満しないのは当然で。


ここは自分に厳しく、事務作業よりも仕事道具を洗う事から始めるか…



今時給湯器もない会社、こんな時に真水でだなんてとんでもない。


私は薬缶に水を入れ、コンロに火をかけた。


沸くまでタバコを吸いながら時間を潰し、

沸いたらお湯と水をバケツに半分ずつ入れ、雑巾を持ち、仕事道具と一緒に外に出す。


外に出た瞬間に凄まじい強風が私を包み込んで。


バサバサとはためく髪を押さえながら、

「さぶっ…!寒すぎる!」


体を縮こませながら、仕事道具を手短に洗った。




震えの止まらない体をさすりながら、急いで片付けて事務所に逃げ込む私。


暖房が効いてすっかり暖まっている室内。


「うー暖かい…さて、コーヒーコーヒー…」


コーヒーを淹れて一口飲んでやっと落ち着くと、それから黙々と引き継ぎ資料の仕上げにかかる。
最後に担当者へのメモを表紙につけ、時計を見ると、さっき2人で大体の目処を立てた時間と大差なかった。


「お。バッチリじゃない…」



メールをして彼にまた迎えに来てもらう。