Don't leave

「うわ。吹雪いてるし。」


「あんた着込んで行かなきゃ風邪ひくよ。雪、ずっと降るらしいよ。」


雪がこんなに…吹雪いてるなんて珍しい。


昔、私が子供の頃はもう少し雪が降っていたけど、最近は雪がちらつく事も珍しくなっていた。


「吹雪かぁ…せめて風がなければね…」



何枚も着込み完全武装をして、家を出た。


首をすくめてマフラーを強く巻き付けた。


凄まじい風が冷たい雪と共に、私の髪を巻き上げて一瞬でぐちゃぐちゃにしてしまう。


「さぶっ…」



髪にも服にも雪が付き、はたいてもはたいてもキリがない。



彼の車を見付けて、小走りで駆け寄りドアを開ける。


「おはよ!めちゃくちゃ寒いねぇ……」



雪をはたいてから助手席に乗り込む。



「路面が凍ってなくて良かったよ…」


笑いながら言う彼。




3日前に逢ったばかりなのに、

欠乏症の私達は、


『やっと逢えた』


という、まるで事実と違う言葉しか出て来ない。





やっと逢えたね。





逢いたかったよ、とても。



私は笑顔を返した。